ご挨拶 / 石多 未知行(総合プロデュース)

2010年に逗子小学校でプロジェクションマッピングを行ったとき、まさか4年を数えるとは想像もしていませんでした。ただ、初めてのショーを終えて、多くの人からのリアクションを見た時、この可能性に満ちた表現を、自分の地元でそして市民や子供達へ提供できることの大きな意味は感じていました。

あれから色んな意味で駆け抜けて来て、気づいたら今が有るという感覚です。

このフェスティバルには僕の色んな思いが詰まっていますし、関係する人たちの思いも詰まっています。そしてそこには、みんなが前向きに進もうとしているエネルギーがあります。
神奈川県の逗子市は県下で最も高齢化が進み、これといった大きな地場産業もありません。しかし住んでいる人々はこの町が大好きで、みんなに良い町であることを発信したいと考えています。そうした「人」というのはこの町が持つ地域の強みであり、逗子の魅力の1つです。そして地域の魅力を様々に発信していくことで、この町が新たな可能性の側面が生まれてくるのではないかと思います。

このフェスティバルはそうした町に可能性の種を撒き、ゆっくりと育てて小さな花を咲かせ、また新たな種が実る様に育てて行きたいと考えています。

そして、町だけではなくここに関わるクリエイターにとっても豊かな可能性に溢れた場所にしたいのです。私自身もクリエイターとして長年活動してきましたが、表現の場所というのが美術館やギャラリーの様な閉鎖的な場所、形骸化された場所と形にとても違和感を感じてきました。表現は誰の為のものか?だれにその作品の声を聞かせたいのか?
このZMAFでは表現を、人々の中での「生きたモノ」にして行きたいと考えています。人々が行き交う商店街で、ゆっくりくつろぐカフェで、お気に入りの雑貨屋で、お酒を飲みながら、普段は目に触れない様な場所、使われなくなった場よ、暗く危ない場所等、そうした場所がもっと表現の場所になったらもっとクリエイターが輝くのではないか?アートがあることで、もっと日常が違った輝きを放つものにできるはず。

作られる作品は場所を意識し、人を見つめ、町を考え、そして答えを探して行く。そんなプロセスがクリエイターの中にも欠けているとも感じていましたし、もっと課題に対してクリエイティブに考え、描き、掘り起こす。そんな刺激的な表現やプロセスを大事にしていくフェスティバルが作れたら面白いのではないかと思っています。

このフェスティバルが、皆さんの日常に対し、ちょっとしたスパイスとなれば幸いです。

石多 未知行(いした みちゆき)


【プロフィール】

武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科卒業

2000年より音楽・アートイベントのプロデュース、同時に映像クリエイター、空間演出家としての活動を開始。「映像=質を持った光」と捉え、映像という既成のフレームに囚われることなく、幅広いフィールドで表現活動をしている。映像を光として扱う手法を、自らビジュアル・ライティングと呼び、新しい表現領域を生み出し、シーンを牽引してきた。そして映像を用いた空間演出の先駆けとして日本でのシーンを牽引してきた。

ヨーロッパやアジアを中心に海外での活動も多く、ロンドンの現代美術館「ICA」、フランスのメディアアート美術館「Le CUBE」での講演やパフォーマンス、グッゲンハイム美術館(スペイン)での演出等、高い評価を得ている。「日本の映像作家100人」(BNN)2006年、2007年、2011年版に選出・掲載。

近年では国内でのプロジェクションマッピングの普及啓発活動を精力的に進め、一般財団法人プロジェクションマッピング協会を設立、代表理事を務める。

神奈川県の逗子市に於いては、プロジェクションマッピングやメディアアートによる「Zushi Media ArtFestiva」という新しいアートフェスティバルを立ち上げ・その総合プロデュースも行いながら、新たなアート手法による地域活性や観光産業開発、クリエイターの新たな活動フィールドを生み出す活動も展開している。

michi ホームページ
http://michiyuki.net

プロジェクションマッピング協会ホームページ
http://www.projection-mapping.jp

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